STAHLWILLE
ドイツ製の航空業界御用達の工具ブランド
「STAHLWILLE(スタビレー)」はドイツに本社を置く、航空業界から高い評価を得ている工具メーカーです。
創業は1862年で工具製品に定評のあるドイツ国内においても総合工具メーカーとして高いシェアを持っています。
ブランドロゴにはラチェットレンチがそのまま使用されており、主力商品としての存在感を示していると言えるでしょう。
ドイツやヨーロッパ各国にある大手オートモーティブ(自動車産業)において使用をされているとともに、製造工場や電子機器、各種設備など工業製品を使用する場所で広く用いられています。
中でも高い評価を得ているのが航空機業界で、苛酷な現場においても使用をしていて簡単にメッキが剥がれることがないとして多くの技術者が選んでいます。
日本においても「STAHLWILLE」の工具を購入する機会は多くありますが、国内メーカーや他の海外メーカーが競合していることもあってそれほど知名度は高くありません。
ただしヨーロッパに行くと工業関係者なら誰でも知っている絶大な知名度があり、特にトルクレンチにおいてはヨーロッパで初めて製造販売をした業者として高い信頼性を獲得しています。
100年以上の歴史がある「STAHLWILLE」ですが、その成長の背景となったのは第二次世界大戦後の復興期でした。
戦前よりドイツのものづくりの現場において重要な役割をしてきた経緯もあって、まさにドイツを代表する企業の一つと言えるでしょう。
シンプルでありながらどこよりも使いやすいという実力
「STAHLWILLE」が創業初期に主に取り扱っていたのは蒸気機関車用の工具類でした。
今も「STAHLWILLE」の本社には当時の汽車の路線図が残されているそうで、産業革命を発展させた鉄道網を整備するために重要な役割を担ってきたということがわかります。
創業当時から国際展開を視野に入れてきた企業らしく、1900年台初頭くらいには既に輸出比率は80%以上となっていたそうです。
ドイツの有名工具メーカーといえばもう一つ「HAZET」がありますが、「HAZET」がオートモーティブ分野で強みを持っているのに対し、「STAHLWILLE」は幅広い産業をカバーする総合メーカーとなっています。
航空業界など特に専門的な職人の集まる現場においてそのプロの仕事を支えるための工具を提供し続けており、現在も「STAHLWILLE」の工具を使うことが一つのステータスとなっているのです。
ただし総合工具ということでは近年、中国製や台湾製のものが多くヨーロッパに輸入されてきており、競合状態にどう対峙していくかという問題を抱えています。
「STAHLWILLE」では海外に生産拠点をOEMすることなく、自社生産に強くこだわりを持っているのが特徴です。