オイル点検・交換
エンジンオイルとは何か?
バイクメンテナンスを覚えるときに、脱初心者として最初にチャレンジしてもらいたいのがエンジンオイルの交換です。
バイクのエンジンにはいくつかの種類がありますが、どのいずれも内部にエンジンオイルを循環させることにより動力を生み出すようなしくみになっています。
簡単に説明すると、バイクの動力の元になっているのはエンジン部分でのピストン運動であり、これをチェーン部分に伝えることによりタイヤの回転を制御していきます。
走行中のバイクではエンジン内部で激しいピストン運動が起こっているわけですが、これはガソリンを燃料に燃焼を起こすことによる熱エネルギーによって内部の機器が動くようになっているからです。
しかし激しく内部で機器同士が動きあうときにはどうしても摩擦が起こってしまいます。
機械同士を直接摩擦しあうと激しい熱が出るとともに部品の破損が起こりやすくなります。
そこで機器同士が衝突するときの力を和らげ、円滑に内部の回転が起こるようにしていく潤滑油の役目をするのがエンジンオイルです。
エンジンオイルの役目は大きく5つあり、「潤滑」「冷却」「密閉」「防錆」「洗浄」というふうに分けられます。
バイク用エンジンオイルの交換時期
エンジンオイルはガソリンと異なり、使用をすることで減っていくという性質のものではありません。
エンジンオイルがあるエンジン内部は基本的に密閉されており、外部から抜き取らない限りずっとそこに溜まったままになっています。
ですが実際に走行をすることで循環が繰り返されるとオイルの酸化が起こるとともに、内部のガスや金属摩耗粉が混合されてくることにより汚れがたまっていきます。
週末ドライバーのように頻繁には乗用しないバイクであっても、オイルは密封された缶内での保存から出された時点より少しずつ酸化が進んでいってしまいますので、時期が来たら定期的に交換をする必要があります。
当然のことながら使用頻度が高いバイクの場合はそれだけ早く汚れが進んでいきますので、その場合は時期ではなく規定の走行距離が来たときごとに交換をすることになります。
一般的な自動二輪のエンジンオイルの交換時期は「走行距離3000kmごと」もしくは「2年ごと」というふうに言われています。
ただ最近は性能の高いオイルも登場してきているので、より長い走行距離に耐えることができるタイプのものなどもあります。
なおエンジンオイルには4輪車用のものと2輪車用のものとがあります。
これは内容成分に違いがあるため、4輪車用のエンジンオイルが余ったので2輪車にも使うといった方法はあまりおすすめできません。
エンジンオイルの交換方法
エンジンオイルの交換をするときには専用の器具が必要になります。
基本的な作業としては、車体下部にあるドレンから古いエンジンオイルを流し落としてから、新しいオイルを専用の口から流して入れていくという流れになります。
ドレンの位置やエンジンオイル注入口はバイクやメーカーによって特徴があるのでそれぞれ確認をしてもらいたいですが、基本的な構造はだいたいどのバイクも同じです。
まず古いオイルを受け止めるバットもしくは袋をバイクの下において、ドレンキャップをレンチなど工具を使って取り外します。
外すと同時に古いオイルが流れ出てくるのでそれを完全に出なくなるまで落とし、再びきちんとキャップを閉めます。
このとき一緒にキャップ部分のパッキンやオイルフィルターを交換することもおすすめになります。
あとは別に購入した新しいエンジンオイルを必要な分量に測り、入口から注いでいけば完成です。
慣れてしまえばそれほど時間のかかる作業ではないので、まずは慣れている人がされているのを一度見学させてもらうとよいでしょう。